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建設業社会保険等の知識

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特定建設業業者の下請指導義務

特定建設業業者は、下請け業者に対して建設業法上、建設工事に従事する労働者の使用に関する法令に違反しないよう、下請業者の指導に努めなければなりません。

社会保険加入に関する下請け指導ガイドラインでも、加入に関して次のような方法により指導を求められています。

  • 特定建設業業者は下請負人の保険加入状況等を確認し、未加入企業に対しては、保険加入を指導すること。
  • 工事現場でポスターの掲示やパンフレット等により周知啓発すること。
  • 調達部門においては協力会社等を通じて加入状況を把握し、未加入企業に対しては加入を勧奨すること。

指導は1次下請業者のみでよいのか ?

元請業者がすべての下請業者に加入指導を行うのは難しいと思われます。
そのため、直接の契約関係である1次下請以下の業者に指示、協力してもらい、元請業者はこれを統括するという方法も可能であるとされています。
ただし、下請業者が経営規模等により明らかに実施が困難であると認められる場合には、元請業者が直接指導を行うことになります。

指導しても従わない場合は

特定建設業業者が指導したにもかかわらず下請業者が是正しない場合は、特定建設業業者はその旨を速やかに許可行政庁に通報しなければなりません。
特定建設業業者が、下請業者に指導を行わずまたは通報を怠った場合は指示処分の対象になります。

未加入下請業者とは契約解除の可能性

もしかしたら元請業者において保険未加入下請業者との契約しないことや、労働者の現場入場を認めないなどの措置が考えれますので、速やかに保険加入を推奨します。

社会保険料等の適正な負担義務

社会保険料等は一般的に法定福利費に該当します。
法定福利費とは、事業者が法律上負担しなければならない費用になります。
社会保険料の分類としては、「健康保険、厚生年金保険、介護保険、労災保険、雇用保険」の5つになります。

建設業では、負担すべき法定福利費(社会保険料等)は、建設業法第19条の3に規定する「通常必要と認められる原価に含まれるべきものである。」として、工事価格に含まれている経費とされています。

法定福利費を含めない工事価格は違法

建設業法第19条の3に規定する「通常必要と認められる原価に含まれるべきものである。」として、工事価格に含まれている経費ですので、下請業者からの見積書に法定福利費が明示されている場合に、元請業者が一方的に削除し、または法定福利費を含めない工事金額で請負契約を締結した際に、その結果「通常必要と認められる原価」に満たない工事金額になる場合は、不当に低い請負代金の禁止に違反するおそれがありますので注意してください。

建設業法第19条の3(不当に低い請負代金の禁止)
注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。

社会保険未加入問題について

法律上法人(会社)は1人(取締役等役員を含む)、個人事業主は5人以上の従業員を雇用している場合は社会保険の加入が義務付けられています。

しかし、現状では建設業界全体では社会保険加入率は今だ低いままです。
そこで、許可行政庁は許可申請時に社会保険への加入状況の確認を次のように行っております。

  • 新規、更新申請等の時に様式20号の3「健康保険等の加入状況」という申請書類を提出させ、社会保険の加入状況を確認します。
  • 現在では社会保険の加入は許可要件ではないので、新規・更新申請等で不許可にはならないが後日、指導文書が届きます。
  • 指導文書に基づき社会保険加入報告が求められる。
  • 指導に応じない場合は、社会保険担当機関に通報されます。
  • その後、強制加入・保険料強制徴収される可能性がでてきます。

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